★★★『唯一無二の自分を極める。』自己実現キャリアブログ for Business★★★
人材育成・社内研修ご担当者様向け課題解決策「キャリア開発研修」のお知らせは、こちらをクリックしてご確認ください。▶★★★現代の企業が直面している「人」の課題に対し、『キャリア開発研修』を解決策としてご提案しています。★★★ – キャリアコンサルタント組織開発 長崎 マイキャリアデザイン
法人向けキャリア開発・組織開発の詳細はこちらをクリックしてご覧ください。▶
法人向けサービス – キャリアコンサルタント組織開発 長崎 マイキャリアデザイン
はじめに:ロールモデルの不在が突きつける問い
現代の多くの管理職が、メンバーから「これからのキャリアをどう考えたらいいですか?」と問われたとき、戸惑いの表情を浮かべます。高度経済成長の時代には、先輩社員の足跡をたどれば自然と未来が見えていましたが、VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代において、過去のモデルがそのまま使えなくなり、今や多くの職場において「キャリアを語れる管理職」が絶滅危惧種となっています。
しかし、管理職がキャリアを語れないという事実は、個々の能力不足ではありません。背景には、制度・風土・教育の不在、そして“キャリアは個人が考えるもの”という過剰な自己責任論の蔓延があります。管理職が「語れない」のではなく、「語る場も方法も持たされていない」のです。
本稿では、なぜ今、管理職にキャリアを語る力が求められるのか。なぜそれが組織全体の経営戦略に直結するのか。そしてそのために、キャリア開発研修がどのように機能するのか──思想と構造を交えて解き明かしていきます。
■組織は“語られるキャリア”によって育つ
キャリアは語るものではなく、感じ取るものだった時代
かつて、キャリアとは「言葉にする必要のないもの」でした。誰もが同じように働き、年功序列と終身雇用のもと、自然と昇進・昇給し、家を買い、子どもを育て、老後に備える──そんな共通の人生設計が存在しました。その中で「キャリア」という言葉自体が、必要とされていなかったのです。
しかし今、その前提は崩れました。人生100年時代、選択肢の多様化、テクノロジーによる変化の加速──私たちは、誰もが“自分のキャリア”を「自分の言葉で」語る必要に迫られています。
そしてこれは、管理職においても例外ではありません。メンバーからの信頼、エンゲージメント、組織としての一体感。それらは、上司自身が自らのキャリアを言葉にできるかどうかに、大きく左右されるのです。
「語れる上司」は、人材開発の鍵である
「キャリア開発は人事の仕事で、自分はプレイングマネージャーだから関係ない」──そのような意識がある限り、組織の成長は停滞します。なぜなら、最も身近な上司がキャリアを語れない環境で、若手が未来に希望を見出すことは難しいからです。
いま必要なのは、経営・人事・現場のマネジメント層が連携し、「語れる上司」を育てる仕組みを整えること。これこそが、企業全体の競争力を左右する戦略的な取り組みなのです。
■管理職が“語れない”三つの構造的課題
1. 自身のキャリアを内省する機会の欠如
多くの管理職が「キャリアを語れない」のは、自身がキャリアを“考えたことがない”からです。組織の求めに応じて働き続け、役職と責任が上乗せされていくなかで、立ち止まり、自分の軸や価値観を問い直す時間と機会がなかった──これは個人の怠慢ではなく、構造の問題です。
2. 組織風土の影響:キャリアは“弱音”という誤解
「キャリアについて語ることは、迷っている・弱い・野心的だと思われる」──そんな無意識のバイアスが、組織内に根強く残っています。管理職がキャリアについて語ることは、実は“強さ”であり、“ビジョン”であるにも関わらず、それを否定する風土が語りを封じ込めています。
3. 研修設計の限界:スキル偏重の落とし穴
従来の管理職研修は、マネジメントスキルや法務・コンプライアンスなど、実務に偏った内容が中心でした。もちろんそれらは不可欠ですが、それだけでは「キャリアを語れる上司」は生まれません。必要なのは、自身の内面と向き合い、物語として語る力を育む“内省支援型”の研修です。
■“語れる上司”を育てるキャリア開発研修の設計思想
内省を通じて“言葉”を獲得する
当事務所が提供するキャリア開発研修では、管理職自身のキャリアストーリーを掘り下げるワークを中核に据えています。「自分はなぜこの仕事を選んだのか」「何にやりがいを感じてきたのか」「この先どう生きていきたいのか」──そうした問いに丁寧に向き合うことで、語るべき言葉が生まれます。
この“言語化”のプロセスこそが、組織内のキャリア風土を変える第一歩です。上司の語りは、社員にとっての安全基地となり、学習のモデルとなるからです。
制度との連動:キャリア面談の質が変わる
キャリア開発研修で“語れる力”を育てた管理職が、部下とのキャリア面談に臨むとき、その質は劇的に変わります。画一的な進路確認から、対話による共創へとシフトするのです。このことは、キャリア面談制度の形骸化を防ぐと同時に、制度そのものの価値を再構築することにもつながります。
組織の未来を担う“語り手”の再生産
さらに、“語れる管理職”の存在は、次世代育成の要でもあります。自らのキャリアを語り、問いを投げかけ、耳を傾ける──その姿勢は、社員の「自分もそうなりたい」という動機づけを引き出します。これは、組織内にキャリア観が循環していく「学習する組織」の実現にもつながっていきます。
■グランドデザイン:経営戦略としての導入~キャリア観醸成を企業文化へ
単発の研修ではなく、育成の文化を築く
本質的なキャリア開発研修は、単発で終わらせては、その効果を最大化できていません。継続的・段階的に管理職を対象とし、キャリア観の醸成を企業文化として根づかせる──その視点が不可欠です。
・一次研修:キャリアの原体験を掘り下げる内省フェーズ
・二次研修:語る力を育てる対話・ナラティブフェーズ
・三次研修:部下育成と組織内展開を促す支援フェーズ
こうした段階的なプログラム設計により、点ではなく線としてキャリア開発の流れをつくり出します。
経営と連動したキャリア戦略の位置づけ
最後に重要なのは、キャリア開発を“人事部門の取り組み”で終わらせないこと。経営者が明確に意図を持ち、組織ビジョンとの接続を図ることで、はじめてキャリア支援は経営戦略として機能します。
“人”が育つ組織には、必ず“語れるリーダー”がいます。その源泉は、自身のキャリアに誠実に向き合い、他者と分かち合う力。いま、組織に求められているのは、その土台づくりなのです。
おわりに:キャリア観は、組織の未来観である
「キャリアを語れる上司がいない組織に、未来はない」──この言葉が、今、多くの企業で真実味を帯びています。ロールモデルなき時代において、必要なのは、正解ではなく“問いを共有する力”です。
当事務所では、キャリア開発研修を経営戦略として再定義し、制度と人材育成の架け橋として設計しています。管理職の意識変革は、組織全体の未来を変える力を持っています。
いまこそ、“語れる管理職”の育成を、貴社の戦略に組み込みませんか。